木が話している
山が動いている
新緑まぶしい山あいを走らせながら、島根県と広島県の県境の山里にある、とある温泉場に行き着いてしまった
世捨て人のごとく、人との関わりを辞めようとしたわけではないが、どこへ行ってもお金は必要だ
しかし、大変な事態が起こってしまった
釣銭に偽札が混ざっている
小心者の自分はそのことを言い出せず、そっと財布にしまった
アルカリ性単純温泉で、ヌルヌルすべすべで、と効能を述べている場合ではない
風呂上がりのカルピスウォーターにむせて咳き込みながら
じゃらんの温泉記事をパラパラめくりながら
気が気でない時間を過ごした
ここに来るまで、前にも後ろにもクルマが走っていなかったこと。そして、普通に千円札を渡されたこと。風呂に入って意識が遠のきつつあったこと。
その他の条件が揃い、まるで異次元の世界に迷い込んだのかと思ったソ
ああ今まで千円札は夏目漱石に変わったと思っていたが、漱石から英世に変わったんだってさあ〜