ボクは夏にキャンプをした。
ラッキーなことに、コテージを二棟も確保できた。
だから、賑やかな楽しいキャンプになるはずだった。
夏の山は好きだ。街のアスファルト地獄にウンザリするこの時期に、人間が作り出した行き場のない灼熱から解放される。夏の山には自然が作り出した空気がある。緑がある。気持ちがいい。普段の生活から解放され、心も体もリフレッシュするのだ。
しかし宿泊した日は日頃の行いのせいなのか雨。かなりの土砂降りだ。雷もなっている。時折、フッと電気も消えかかるような、金田一によくある場面を想像してしまう。
そんな状況だが、することは一つしかない。飲んで騒ぐのだ。
みんな一つのコテージに集まり、飲んで、食べて、たくさんしゃべって時間を過ごしていた。
気づいたら、あんなに降り続けていた雨も止んでいた。
ボクは楽しんでいるみんなより先にもう一つのコテージに帰って、寝ようと思った。
なんかみんな朝まで話し込みそうな勢いだったから、それだけは避けようと思ったからだ。
一人しかいないコテージは、さっきまで降っていた雨が屋根から落ちてくるポタポタと言う音しか聞こえてこない。さっきまでの賑やかさがウソのようだ。
続く