部屋に入るとベットに倒れ込んでしまった。
このままベットの中に埋もれてしまうんじゃないかと思うくらい体が重くなり、ただ目を開けているだけであった。
どれくらい時間が経っただろうか。ふと我に帰るとケータイの着信音が聞こえてきた。
ボレロだ
クラッシックを着信音にするヤツも珍しい。
誰のだろうかと廻りを見回しても、発信源を突き止めることができない。
部屋中をうろうろ探し回っているうちに、着信音は止まってしまった。
コテージの静けさは相変わらずだが、どうやらボクは眠っていたようだ。
隣のコテージを窓から見ると、まだ楽しくやっている。
ちょっと向こうへ顔出しに行ってみようと思った時、
またボレロのメロディが聞こえてきた。
友だちのバッグに耳を近づけたり、ベットの中、バスルーム、洗面所とありとあらゆる場所を探したが突き止めることができない。
その時、ハッと気づいた。向こうの部屋からこっちが慌てる様子を見て楽しんでいるんだろうと。
続く