「なんで?」
ボレロは直接聞こえてくるわけではない。なにかカバンの中に入っているか、壁をはさんで聞こえてくるような感じだ。
しかし、コテージから聞こえてくる感じはしない。辺りを見回したが、まったくわからない。
ボクは落ち着いて、目を閉じてみた。
足元から聞こえているような感じがして、まさか?と思いながら、耳を地面につけてみた。
ビンゴ!ボレロの着信メロディーは地中から聞こえてくる。
でもなんで?
とりあえず、掘り出してみようと考え、その辺に転がっていた木を使って土を掘ってみた。しかし、土はそんなに固くなく、手で掘ることができた。
掘り始めてすぐに、何か白いものが埋まっているのがわかった。かなり大きい。
こんな夜中に、なぜ家の下で土のにおいを嗅ぎながらこんなことやってるんだろうかと思いながら、ひたすら掘り続けた。
掘り当てたものは冷蔵庫だった。
なんで???そういえば、こっちのコテージには冷蔵庫がなかったことを思い出した。誰かが埋めたのだろう。でも何のために?
何か入れて埋めたのか?札束?
期待を胸に抱きながら、冷蔵庫の取っ手に手をかけた。その時、冷蔵庫の中から着信音がなった。ボレロだ。
音の発信源を突き止めた安心感と冷蔵庫の中身を想像しながら、そ〜っと扉を開けた。
そこで目にしたものは、死体だった。思わず目をそむけてしまったが、ボレロの着信音がなり続けているので、取らないわけにはいかない。
勇気をだして死体の胸ポケットから携帯電話を取り出し、着信ボタンを押した。
「もしもし?」
と、ものすごい恐怖に襲われ、携帯電話を離しそうになったが、聞こえてきた声は、、、
「見つけてくれてありがとう」
という言葉だった。。。。